即興詩会:第4回(夏の陣編)/ワタナベ
でっかい
目玉を
描くことにした
○ワタナベ
「絵描きたちの沈鬱」
エドガー・アラン・ポーから
江戸川乱歩が生まれたように
絵描きたちの沈鬱から
イメージの欠乏が生まれ
それが駄作と名づけられて
歴史の流れに飲み込まれてゆく
わたしは船にのっている
歴史的現在という名の
そこから流れにむかって
ワインをそそぐ
そそがれた赤い筋は
ふっと拡散し
(もはや群青の海がひろがるばかり
船底をたたく波がよせ
もはや色の見えなくなったわたしのワインを
遠くかなたへと連れ去ってゆく
南十字星があがろうとしている
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