こいばな/
吉田ぐんじょう
明日も生きていてね
と君は言う
たとえ明後日生き返るにしても
明日君が死んでしまったら
やはりそれは悲しいから
明日も生きていてね
と君は言う
なにかをかなしがるような眼で
どうしていいか解らないような笑みで
わたしは頬杖をついたまま
紙のようにうっすら頷く
開いた窓からカレーの匂いが
ふわりふわりと漂ってくる
戻る
編
削
Point
(8)