女王蜂。/菊池ナントカ
メリケンスタァによろしく、って。
女王蜂が足をひろげて吐き出した。
憂鬱に猿が、
憂鬱に猿が、
憂鬱に猿が、
憂鬱に猿が、
憂鬱に猿がダンス踊ってった。
なんだか凄い耳鳴りが。
凄い勢いで耳鳴りが。
わたし貴方と口もききたくないわ、って。
女王蜂が足をひろげて吐き出した。
俺は治りかけの鬱病で、
時々激しく落ち込んで帰って来れない時がある。
そうすると誰からの電話もメールにも答えたくない。
女王蜂はそこを利用する。
それを解っていながら女王蜂に魅せられる俺はなんて不様なんだ。
女王蜂に皆が皆、列を作っている。
葬式のようだ。
女王蜂が今、指をゆだねて雲を掴んだ。
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