夏病み/naho
 
ふつり とした暗転の前の
うす紫の怪しさに急かされて

どうしようもなく
閉じられる太陽

月はさわさわと 触手を伸ばし
柔らかい発狂の 熱病を運んで

貴女を侵してゆく

腕 掻き抱いて 血を流がし
フロッピィ噛み砕いて

くすり

キスをねだっている


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