盆祭りのあたり/ブライアン
 
川沿いの草むらで雉は鳴いた。
陰りが重なり、闇をつくる。
雉の、高く鋭い声は、空に放たれ、分解を拒み、残音となって、
空を揺らした。

 田舎の盆祭りは、太鼓の音が宙に浮く。
 人々は、太鼓を中心に、踊り、廻る。
 鄙びた町に、誰も訪れない。
 遠くで花火が打ち上げられ、
 夏の夜を明るく照らした。

華やかな音が夏の空に残り、
鄙びた町の盆祭りの音が、次第に小さくなる。
山の上からは
雉の、高く鋭い声が、空に放たれ、光を拒み、
町全体を揺らすのだった。
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