チョコミントグリーン/快晴
と音を立てて上から降ってくる
だから私がバイトしていた職場のように
わりと入れ替わりが早いのが玉にキズ
私と同じように彼らも夏が大嫌いで
特に沸いたばかりの麦茶なんかに入れられるのを
何よりも一番恐れていた
彼らは仲間があなたに連れ去られる度に
憐れみの言葉を口々に唱えながら
次は自分の番ではないかと不安がるのだ
そんな8月も半ばのある夜の日に
あなたはひどく酔っ払って帰宅した
どうやら私の知らない女を伴っているようで
その女は「何か冷たい物が飲みたいわ。」と
氷を取り出そうとした時に私を見付けた
「あら、私の好きなチョコミントじゃない。
これってまだ賞味期限は大丈夫かしら?」なんて
酒臭い息を吐きつつ大声で口にしながら
私を地獄のような暑さのキッチンに取り出した
あなたはもう眠ってしまったのか返事は聞こえず
私はその女にひとさじずつ掬われて食べられてしまった
女の体の中でドロドロに溶けた私の上のほうから
「悪くない味だわ。」と声が聞こえた
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