「 おちんちん電車。 」/PULL.
ツミヲとおちんちんは、
いつも電車に乗ってやって来る。
ツミヲの棲み家は、
ここから二駅と四つ離れた駅から、
徒歩五分の閑静な住宅街の一角にある。
ツミヲはそこに週七日帰る。
一昨年に二十五年ローンで買ったばかりの築十五年のその家の中には、
六年前に短大を卒業した小柄な奥さんと、
二人の幼い双子の幼稚園児と、
一匹のメス犬がいる。
ツミヲは月に二度、
最終電車に乗って家に帰る。
なのでその夜ツミヲとおちんちんはコンドームを目深く被り、
ここからさらに二駅と三つも離れた駅前のホテルの一室で、
時間の許す限りあたしの中に入る。
時間
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