ノート(白花)/
木立 悟
誰もいない街を囲み
小さな白い花が咲き
低く宙に浮かんでいる
花粉と麟粉が
片目の奥に混じりあい
列を去ったものたちを見せる
薄く薄く固まった血が
蒼のなかから現れては
羽になり羽になり飛び発ってゆく
歌いながら片目を去る粉
ほどかれるように廻り
かがやいてゆく
宙の花をつなぎ
誰もいない色になり
ほどかれるように歌い
かがやいてゆく
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