きらンきら/唐草フウ
お昼間はセミが元気よく鳴いていて
あっ
あの山の上に入道雲がのっているよ
もくもくもく
あの瞬間にはサイレンが鳴って
鐘が鳴って
めを閉じれば引き出しのなかに
なんでもない日常が広がる
これからも許してはいけないこと
いまなら 許せるじぶんのこと
どちらかひとつには傾けない
むずかしいねえ
セミ 鳴いてるねえ
早く早くおとなになりたかったけど
どの夏も、夏は、夏で
頑張り屋さん みんな 汗かいて 鳴いて
ホッとした夕暮れの雲は せかいの屋根瓦になった
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