クランベリー フラワー ソング/千月 話子
 
白薔薇よ 白薔薇よ
僕の下で 咲いておくれ


うつ伏せで溶けていく熱い腹に
鋭い棘を突き立てて
僕の赤い 
  赤い懺悔を吸い取ってしまえ


ベッドサイドには 欠けた花瓶
無造作に挿した(赤黒い)
ビロードの薔薇 数本


薄い壁の向こうから
耳障りな掠れた女の声がする
 彼女は失恋の歌を 歌っていた


茨の絡まるような感覚
身動きできない僕の腕は
ガラスの器に切り分けられた
瑞々しい桃の果肉を鷲掴み
見知らぬ男に遮られ 遮られては
ひどく 喉が渇いて仕方ない

・・・ちくしょう!
あんたなんて 必要 ないん だ


手の平から内
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