生殖/
本木はじめ
結合した雪の結晶体が
春に降ることがないように
満ちることの重大さが
人生の背後に潜むのだ
荒れ狂う恋の嵐とは
また別のところでの
生殖
ことばはなく 有無はなく
未天地での選択の末の結晶体が
地平の彼方から歩いてくる
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