ひとりの虫/むむ
 



永い永い年月をひとり

暗い暗い土中で過ごし

目舞うくらい天声聞くや

紅い紅い太陽の下へ

木に綴るは たった数日の命

単りの虫 と書いて「蝉」

叫び声のすぐそばで

耳をすませば

風たちの応援の声が

聞こえるかもな




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