白い外壁/黒川排除 (oldsoup)
の反射にまどろんでいる
成長期の面影は
名目上
壁に付けた耳をそばだてる
そばだてるこころはやましく
やましくしかし純粋で
あるため許される
目を閉じて
こころを塞げば
窓が開き
たわんだカーテン
車の置物
植木のざわめきを通し
現象が透視する
壁の内側からは
卑猥な声
主に卑猥な声
時々卑猥な声
しかしそんな中にも卑猥な声
が聞こえてくる
壁は再度打たれ
耳はめり込んでいる
電話のベルの鳴り止まぬ
耳殻は彼らの滑り台
斜面をくだり
急激に落下する
とき
おだやかなる
とりもどしえぬ
かきならされた沈黙
平穏の
猫のまだ鳴いている
電
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