笑って許して/恋月 ぴの
 
トイレで用を足したなら
ちゃんと流す

それがおとなの対応

いくら大好きな彼のであっても
普段は決してあからさまにすることの無い
若かった頃の女性遍歴やら
誰かと何を食べたのか見せつけられているようで
流し忘れたウンチなんて見たくはないもの

それでも
何も見なかったし何事も無かったかのように
さらりと水に流してあげる

それもおとなの対応

「水に流す」
なんだか素敵なことばだよね

たとえ流し切れない何かが残って
そんな何かに煩わされているとしても
「わたくしウンチなんてしませんことよ」
だなんて、さらりとかわせるおとなになりたい





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