眠れない朝に /Rin K
 
るのだ と
まだ許しあえる程のふたりの隙間を
あなたはありふれた言葉で埋めようとした
切ない記憶は朱色の空にだけしかなかったから
僕は生まれて初めて
あさやけに泣いた


眠れない朝にあなたを思う


腕を緩めても逃げることのないぬくもりの形
あなたのやわらかさの一部始終の輪郭を
確かめているうちに空は紫を脱ぐ 窓越しに
夜を通り抜けて出逢ったあさやけは
夕映えより息苦しくて
あなたを、恋しくする





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