詩をかく/美砂
 
錯覚をかさねて
すすんできた
そして、またしても
錯覚

たぶん、どこにもたどりつけない

だがふりかえって、
遠く、残してきた
いくつもの分身に
ほほえみかけることならできる
いまは、そこにはいない、
そこにいないからこそ

恥ずかしいね、
身の程しらずだったね、
君らは
あまりにも生々しくて
無様に尖って
痛々しくて
滑稽だ
大真面目だから
悲しくなるくらい

だけど

いないよりは
ずっといい
絶対いい
そう
思う

そう思って
また



戻る   Point(3)