詩をかく/
美砂
錯覚をかさねて
すすんできた
そして、またしても
錯覚
たぶん、どこにもたどりつけない
だがふりかえって、
遠く、残してきた
いくつもの分身に
ほほえみかけることならできる
いまは、そこにはいない、
そこにいないからこそ
恥ずかしいね、
身の程しらずだったね、
君らは
あまりにも生々しくて
無様に尖って
痛々しくて
滑稽だ
大真面目だから
悲しくなるくらい
だけど
いないよりは
ずっといい
絶対いい
そう
思う
そう思って
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