ある夏の位相/
雨宮 之人
僕は立方体を
開いていく
中には何にもなくて
そして僕は小さく、あくびをした
先生、僕は結局よくわからないままで
この中には何にも
見えるものは何もないよね
でもあるんだよ、開いていくとわかるんだよ
3次元に、響いている、イノセンスが
セミの声と相似形で
エーテルが絶える、その残り香を僕はかぐ
虫かごを空へ解き放って
宇宙とのコミュニケートで、それって
僕 早起きしたから、あくびが出て
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