もうすぐ血液になる予定/柳瀬
青い窓にハエみたいな虫がとまった
ぷち、と指でつぶしてころす
それだけで
ただそれだけで
きみに話す事はそれだけで
はえがまどにとまったんだよ!ころしたんだよ!
って、ただそれだけで
ぼくはそんなんで、そんなんでさあ
ふうんって、笑いながらきみはぼくの頭を撫でてくれて
その後は股を大きく広げて
ぼくのことを全て搾り取るくせに
空っぽだから何もなくてね
はえがまどにとまったんだよ!ころしたんだよ!
って、それを吐き出せばもう終わりなのに
小さい命を無理矢理おわらせたとき
ぼくが少し安心したのは
ぼくの手でも殺められるものが
すぐそばに、一
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