車なんて発明されなければよかったのに/円谷一
 
より全国で車を運転する者はゼロになり 自動車会社が暴落し 皆がバスや電車や自転車を使うようになった さすがに頭を悩ました国はこの街の規則を廃止しようとしたが 天皇が許さずそのまま継続されるようになった


そんな騒ぎがあった後に君と出逢った 君のお父さんはバスの運転手だったが事故により交通刑務所に入れられた その時バスに同乗していたのが僕の両親と兄弟達で 全員死んだ この街に国から移されそうになったが未成年だったので取り消され 祖父と暮らすようになった 君のお父さんを死ぬ程恨んだ 大人になったら絶対仕返ししてやると誓ったのだが お父さんに一人娘がいることを知り君に出逢ってから考え方が変わった そしてこんな制度早く無くなってしまえばいいのだと同胞の仲間達を集め NPO法人を設立した 街中をデモ行進したりして制度の廃止を求めたのだが警察官に威嚇射撃され 中止となった


君のお父さんは脳血管障害でこの街の病院で入院している 君の村まで嫌なバスに乗って誘ってそれからこの街まで歩いて毎日のようにお見舞いに来ている
戻る   Point(1)