信念の塔/悠詩
「昨日と言っていることが違うよ」
「考えが変わったんだ」
「日和るんだね」
「そうかな」
+ +
この空のどこかに宝が埋まっている
この空のどこかに宝が埋まっている
羽根をまき散らしてカケスがわめく
ぼくは天を仰いだけど
ちりばめられた大気の呼吸の
ひとつひとつが眩しくて
ぼくは視線を下げたけど
息づいた草花の色の
ひとつひとつがうつろっていて
だからカケスのさえずりも
天から授かった讃歌と聴けば
手を伸ばしたくなるのか
そのフラットに足踏みを
その変拍子に挫折を
そのコーダに回生を
手探りで目的を求めていたひとたちは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)