涙時計。/
狠志
もう、止めようか。
からっぽの砂時計を眺めるのは。
明日の風が吹いても、砂は入らない。
「泣き砂」でも入れようか。
どこにあるか解らないけど。
ほら、上を見てみ。
かちかち、と電波時計は動いてるよ。
もう、寝なきゃ。
もう、瞼を閉じなきゃ。
そっと、ぎゅっと。
あまり、涙が零れないように。
戻る
編
削
Point
(2)