空が割れた日 /服部 剛
響く
何者かの声
「
世界がぜんたい幸福にならないうちは
個人の幸福はあり得ない
自我の意識は
個人から集団社会宇宙と
次第に変化する
この方向は
古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は
世界が一の意識になり
生物となる方向にある
正しく強く生きるとは
銀河系を自らの中に意識して
これに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう
」 ※
薄暗い家々の濡れた屋根は哀しい光を滲ませ
唸る豪雨はアスファルトに舗装された地を打ち続けていた
この国の全てを洗い流すように
※ 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」「農民芸術概論網要」
より引用しました。
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