空が割れた日  /服部 剛
 
与党が歴史的大敗をした日 
雷は空に皹(ひび)を入れるどころか 
あのピカドンのような 
世界の全てを一瞬に包む光で 
家々の中に身を寄せる私達を震わせた 

再び空が真白く光ると 
家々の電気は全て消え 
私達は一つ屋根の下 
一本の蝋燭(ろうそく)の灯を囲み 
やがて外には大雨が降り始めた 

暗雲に覆われた空に
長い間隠れている 
( ほんたうのたったひとりの神さま )は  ※ 
二十一世紀の日本の国に 
一体何を望んでいるのか 

三度(みたび)空は真白く光り 
轟(とどろ)き渡る雷鳴 
真っ二つに割れた 
一瞬の空から響く
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