あなたを忘れない/池中茉莉花
朝起きて ちょっと物理をかじってから
英語の暗唱を ほんのちょっと
ああつらい ああつらい
あちこち痛いのが気になって
寝ころがったまま 3時になった
同窓会の通信を なにげなく ぱっとひらいた
友達が 天に帰ったって
何度も 見直したのだけど
やっぱり 彼女に間違いなかった
彼女は 産まれたときから 心臓に
大きなあなが あいていた
だけど 病気に甘えることがなかった
勉強も ピアノも
ほかの子みたいに やっていた
体のつらさも 心のつらさも
その笑顔からは 汲み取れなくて
その姿が 目に浮かんだ
マキシミリアナ・コルベリンコ
神様と コルベ神父さまに
いだかれて いるのかしら
あなたのように 生きてみたい
あなたみたいには できないけれど
でも、寝てばかりじゃだめよって
あなたなら いうはずだから
体を起こして 暮らしてみるわ
そして ちょっとでも
勉強してみる
マキシミリアナ・コルベリンコ
わたしは あなたを 忘れません
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