蘇生/葉流音
加速してゆく
気持ちの老化
それにつれてか
空の青も
色褪せて
私の瞳は
ただの硝子玉になり
やがてことんと
墜ちるのだろうか
緑の葉っぱが
目に痛いのは
生命力が
負けているからだろうか
過ぎ行く風が
少し切ないのは
誰かの香りを
流していたせいか
錆びた線路の上を
ひょこひょこ歩き
太陽に
じりりと焼かれ
朽ちていく最後の瞬間には
何を見るのだろう
もう、
見えないかも知れないな
突然の雨に
ざらざら洗われた
硝子をまた
ぱちり、と
はめ込んで
また、歩き出すだけ
何度でも
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