部活動にて/円谷一
 
バスに乗って学校へ行く
車内には誰もいないのに吊革に掴まって真ん中で立っている
乳白色の雲は均等にぴったりと空に張り付いている
ストップし動き出す毎に内臓が揺れる それがすごく心地良い
座椅子の匂いが充満している 途端に街へ行きたくなり終点まで乗っていようかと迷う
でも部活の顧問に怒られるのが怖いので旭町2条10丁目で降りることにする


春光町に入った時に急に具合が悪くなる ポスフールと行き交う車の数を見て気持ちが悪くなったのだ 早く旭町2条10丁目の停留所に着いて欲しいと願う この一帯がたまらなく嫌なのだということを知った そのことに気付くと幾分か気分が良くなったような気がした
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