日々/あおば
070730
意外な展開で
刀を入手した
前から欲しいと思っていたが
平和な時代が続いたので
骨董ブームが続いていて
役に立っても立たなくても
日本刀の値段は上がりっぱなしで
とてもではないが庶民がおいそれと
買える価格にはならない
叔父さんが亡くなって
売り払おうと言うことになり
鑑定を依頼されたのだが
無理を言って格安で譲り受けたのだ
絶対に転売しないで大事に保管する
必要なときは何時でもご覧にいれます
と言う条件
鋼鉄の刃を磨いてもらい
研いだ後の手入れをする
粉を叩いてから
まっ白な
半紙を咥えて
右手でしっかり握り
刃先の滑らかさと
鋭い光具合を
凝視する
点検するのではなく
凝視する
凝視した後でゆっくりと白さやに収めてから
静かに溜息をつく
役に立たない男だと
解任された後で
日本刀の目利きになれたらいいと思っていたが
願いが適い
匂い本意だの
関の孫六三本杉だの
演歌歌手になったように小節をつけて
良い気持ちになって歌っています。
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