哀歌/由希
 
かな かな かな かな …



あれ?蜩が鳴いている
まだ七月なのに…

ああ、そうだね
彼らは晩夏だけの蝉ではないんだよ

ふうん、知らなかったな



かな かな かな かな …



照りつける日差しを予感させる日の朝

ひっそりと紡がれる、夏の唄



かな かな かな かな …



やさしく、儚げな余韻を残して
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