エピローグ/
山中 烏流
鼻を刺すのを
気にも止めないように
僕は君の喉を
そっと握り始める
握ったあと
柔く、柔く、力を
込める
*
小さな雫が
手首に落ちた、刹那
確認するより先に
帰化してしまった
世界は急速に
空を
赤く染める
*
世界が終わる
その最後の瞬間まで
繋がっていてください
その最後の瞬間
名前を
呼んでください
ただ
名前を、名前を。
*
赤く、光る。
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