ノート(火と自乗)/
木立 悟
ひらき
外を映して赤く染まる
使い古された鉛筆が
削られてもいない鉛筆に呑みこまれてゆく
明かりと水と
その二乗
油 手まねき 火のとどくまで
泡とくすぶり 火のすぎるまで
見えない熱が 原を燃やす
人を憎み 街を壊す
見える熱の背は蒼い
見たものは皆 蒼に焼かれる
道は炭になり
牙は残り
海と月を
見つめ返す
[グループ]
戻る
編
削
Point
(7)