ノート(火と自乗)/木立 悟
 
ひらき
外を映して赤く染まる
使い古された鉛筆が
削られてもいない鉛筆に呑みこまれてゆく


明かりと水と
その二乗
油 手まねき 火のとどくまで
泡とくすぶり 火のすぎるまで


見えない熱が 原を燃やす
人を憎み 街を壊す
見える熱の背は蒼い
見たものは皆 蒼に焼かれる


道は炭になり
牙は残り
海と月を
見つめ返す













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