宇宙の終わりの日に/円谷一
 
レンドと初めて花火大会に行くつもりだったが当然のように中止になりデートの話は白紙に戻った 宇宙側の人間に悪意を感じ 空の方では間に合っている宇宙船が爆発して花火のように散っていく光景を見ていた 爆発音も花火の音に似ていた


満天の星空の中でちっぽけな争いをしている生き物達が虚しく見えた 酔いが回ってきたのか瞼が重く感じ懸命に目を開けようとしたが耐えきれなく目を瞑った 無意識の端っこで空での爆発音が聞こえてきた 本当にここで眠ってしまったら危ないということが分かっていたが少しの時間ぐらいならいいと思って眠ってしまった


目を覚ますと日付が変わっていたようだった 周りを見回してみると 所々で真っ黒な炎が上がっていた 宇宙が爆発したのだ そしてその爆発音にも気付かずにぐっすりと眠っていたのだ 宇宙は無くなってしまった 酔いが抜けきっていないのか虚しさがあった
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