白昼ランドスケープ/
日向夕美
が誤算だという顔をして、起き上がるだろう。
待っていて、の一言が、今日欲しいだけ――
ぴたり、鳴り止む
青銅のレリィフが
ゆるいカーブを描いて、
西の方向へ
白い太陽を誘う。
開いた目に
三毛猫が横切る、と同時
飴色の柱に、
反響する、蝉時雨。
舗先からは
赤いケトル、と
双子の眼差しが
居なくなっていた。
全てに満足した私は、ようやく夏を始める
戻る
編
削
Point
(1)