気をつけて/砂木
重たいスカートのひだも
ほっとして忘れていく夕方
会社前のバス停で くみちゃんと会う
寮に帰るため一緒に並んだ
秋田へ帰るんだ
熊本出身のくみちゃんに言った
そうだってね これから送別会しない?
これから? ええっ?
裏道などよくわからない
会社の付近を まっすぐにうろうろと歩いて
小さな飲み屋さんに入った
辞めるとはいっても きっちり一月前に
辞表をだした私は 明日まだ仕事だし
お銚子を一本 頼んで ご飯を頼んで
はしゃぎつつ乾杯して別れを門出にした
私達はお店の中で 少し浮いてたかもしれない
店をでると 外はすっかり暗い
十時の門限まで
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