しちがつの祭り/あおば
 
と切りがない

帰ろうと思うのはいつも
弱った金魚の袋の泳ぎに気付いた頃で
暗い夜道を急ぐ足
そんな夏を何度か過ごした

大人になって
夏祭りでもないのに
なんで7月の祭りをするのかと
土着の友に尋ねたところ
その昔の疫病蔓延したおりの
病平癒、神楽奉納祈願が起こりと
曖昧で重たい返事が返ってきて
納得はできたので
そのままずっと過ごしてきたが
近年は、どこでもなんでも情報はあからさまに公開する決まり
7月の祭りの起源ももう少し分かるかと訪ねたところ
友の話はウェブ頁にも記されていて
ただ、その昔が、大正の初め、20世紀もかなり進んだ頃であり、
神様よりお医者様にお願いする方がより適切な対応と思われて、
祭りの起源は非公開にして置いた方がよいのではと姑息なことを考えているが、
21世紀なんだから、明治も大正も遙かに遠くなっていて、平成生まれの人には、江戸時代と同じで、無知蒙昧でぼんやりとした原始的時代に見えるのかもしれないと、昭和生まれの私は自問自答を繰り返している。






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