もりおかだいち「蜘蛛の内部にて」について/葉leaf
 
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 詩人は詩を書き始めるにあたって、一つの静寂、一つの待機状態に身を置く。詩人が詩の発端をつかもうとするとき、彼の意識は詩の発端の潜在する空間に集中するので、それ以外の印象(視覚印象・聴覚印象など)は無に等しくなるのだ。詩の開闢におけるこの静寂は、それゆえ、聴覚的静寂であると同時に、視覚的静寂・体感的静寂でもある。この静寂はたいていごく短い時間であるが、詩の開闢にはたいがいこの手の静寂が付属する。
 詩の開闢に付属する静寂において、詩人は詩の発端をつかみ取ると同時に、詩の発端に襲われる。詩の発端の潜在す
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