インドア/
楠木理沙
何をするわけでもなく 自分の部屋に篭るのが好きだった
このままでいいと思っていたわけじゃなかった
だけど この生活を手放したくはなかった
だから インドアになろうと思った
わたしは玄関のドアに入り込んだ
そして いつからか私自身が自分とドアの区別がつかなくなった
わたしは外に出ようと思った それは叶わなかった
わたしは内に篭ろうと思った それは叶わなかった
わたしはインドアで それ以上でもそれ以下でもなくなっていた
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