The Poetic Stigma/岡部淳太郎
、詩を信じすぎたがゆえの「聖痕」であるのかもしれない。そして、その「聖痕」を通して君は呼吸している。「聖痕」が、詩を愛する「しるし」が、君を生かしている。それによって、君は生きているのだ。君は群衆の中で立ち止まり、胸を押さえてうつむく。誰もそんな君に注意を払わない。誰もがみな自分のことでせいいっぱいで、この世に詩があろうとなかろうと無関心だ。やがて交差点の信号が変り、群衆は流れるように歩き出す。君もその流れの中に混じって歩き出す。群衆の、他の人々の背中を見つめながら、君は誰にも聴こえない声でつぶやく。またしても訪れたひとりごと。やがて「詩」になるかもしれない言葉を、君は胸の中で繰り返す。
(二〇〇七年七月)
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