41P 「短歌2」より/むさこ
 


洗剤より生れしシャボン玉の遊泳を
掬えば窓に にげる虹色

シャボン玉掬はむ姿勢 すかされて
運動神経 鈍る年かと

俄か雨に荷物ぬらして声もなく
ちり紙交換 信号に止まる

朝ぎりは徐徐に晴れゆき浮きてくる
家居に柿の色づき見たり
          (9号線 車の中より)

音のして降りきし霰に戸惑ふか
たまゆら犬は一点を見る
          (愛犬Jと家にて)
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