涅槃インテリゲンツィア/円谷一
 
れている
涅槃インテリゲンツィアは生きとし生けるもの全てが望む世界だ
皆が平等に平等な状態で生きている
月日も地獄も無い世界
まるで詩を書いている時の気分が永続的に続く場所だ
そして悟りを開く場所でもある
悟りを開いた者だけが辿り着ける場所ではない
涅槃インテリゲンツィアを信じることで精神的に 肉体的にそこに導かれる
雲の上のような快楽を味わえる
穏やかな夕立がアスファルトを濡らし少し潰れた空き缶を転がす
現実の僕はそんなところに視線を置き去りにしている
羽を濡らしたとんぼのように宙に舞ってメビウスの輪を描く
死なんて永遠が終わる時に比べたら可愛いものだろ?
死ぬまで君の歌を歌うよ 死ぬまで詩を書くよ
僕の人生なんて永遠と永遠ののりしろみたいなものだ
雨の東京が誰かに訴えかけるように紛れて背伸びしている
一人で強く生きていきたい
強靱な精神を手に入れてこの世界を涅槃インテリゲンツィアにしたい
命をお与えになって続けて頂く間まで
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