「その海から」(21〜30)/
たもつ
空から
なにもない、
が降って
なにもない、
に優しく
積もった
なにもない
ただあなただけが椅子に座り
靴のサイズを
気にかけていた
30
壁と壁の隙間で
人は靴擦れし続けた
いくつもの朝があり
newspaperは配られ続けた
わたし、を名乗れば
わたし、はいつも
わたし
異物を飲み込んだ子供たちが
診療所でどこまでも
列をつくっている
その幸せを
人は信じ続けた
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