駅・大阪/たりぽん(大理 奔)
田舎暮らしに馴れきってしまい
地下街が怖くて僕は
東梅田のビルの隙間
歩道をとぼとぼ駅に向かう
汗がにじむのは
気温のせいじゃなく
コンクリートに染みついた
あの夏の影の照り返し
不快で騒がしい風
二日酔いの胃袋に
刺激をもとめ
サンマルコで野菜カレー
キモヲタ風のひげ面が隣の席
ビーフカレーに卵をかけて
ぐちゃぐちゃ
かき混ぜながら食べたって
等身大で何が悪い
堂々とかっこわるいまま
街に魂というものがあるなら
でっかくて無関心でやさしい
そんな両手の中で
そのままの命でありたい
生きることに理屈なんてこねない
不細工でもいい
本音で嫌いだって、言ってやるさ
おおさか
オオサカ
そう、大阪
不機嫌なままで
僕は生きていける
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