39P 「短歌2」より  〜苔寺、椿寺 etc/むさこ
 
長雨の晴れておちこち競ふごと干し物
ひらめく冬空の下

おしどりが小さき雨の波紋消し
みどりに染みし池をめぐれる
            (苔寺にて)

花冷えの椿の寺はひっそりと五色の
椿に雨細く降る
      (地蔵院・椿寺にて)

尾を引きて流れ星せり 身ぬちより
思わず挙げし声に 恥らふ


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