黄昏バタフライ/ゆうさく
 
きめ細かい粒子が
向こうの水平線に
ゆっくり溶ける

聞こえない音色は
憂鬱の向こう側

黄色の支配に
世界は従う

蝶のワルツ
橙色の光に絡まって
そのまま堕ちていって
消えてしまつた

夕焼けシャドウ
伸びた影は
何にも混ざらない

手を伸ばしてみて、
群像は、かなた
夏空、なみだ

そろそろ夜に溶ける
入道雲が地上を飲み込む
僕は焦って
原っぱを駆け出す

おそかった
もうすぐ夜だというのに
きらめきが連鎖して
とまってくれない
止まって、紅。

僕の目線の先で
世界はゆっくりと
愛し合ってゆく
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