万人の為の詩/円谷一
 
森の中で宙に浮かんで君の手を離さない
君とイヤフォンでこの曲を聴くよ
太陽の光を遮って君と僕だけの世界に視界を沈ませるんだ
海水を泳ぐようにどこまでも進んでいく
心の中を泳ぐように暗闇に塗れて
永遠の歌 僕達は叙情詩を詠うよ
君を思い出すと傷口が開いて 心が大きく振幅するんだ
僕は傷の痛みで詩を書いている
他人の評価は要らないんだ 君だけに格好良くい続けたいんだ
地面が空中に溶けて 視界が全く見えなくなる
均等に混ざり合うように 万物はゆっくりと回遊する
死の世界にいる僕と生の世界にいる君
僕を批判していた者も悲しみの世界の側に立ったようだ


僕は成長する為に君の死
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