父の死/ゆるこ
 
蒼白な表情を
死体の父は脆く浮かべた


体から湧き出る日常が
沢山の汚いを表現していて
宇宙の屑のように感じた


(からだの なかの

優しい、濁毒が


ピアノを弾くように
押された胃袋は
長年のものたちを
容易く口元にあげていた


見返すと
やっぱり精算は泥まみれで

回りを彩る
うつくしいはずの花たちも
酷く体をひしゃげていて


あの日錆びた
私の全てが
がらりがらりと
おとをたてて
ぶっ壊れて

煙突が放つ全てに埋もれ
空が吸収してしまったそれを
石のように、黙って
静かに見送った



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