海よりも、行方を/
たりぽん(大理 奔)
ひとりぼっちで
過ごしたい夜が
みずたまり
雨の波紋が
せまいむねのうちで
干渉しあう
ふたりだけで
見つめていたい夜が
みずうみ
交互に投げ入れた小石が
たいがんへ
消えるまで広がる
ひとなみにのまれて
消えていきたい夜が
うみ
声は波にかき消され
ひとりよりもこどくに
孤独よりも満ちて
どこも空の下なのに
あしもとばかり
水の流れる先ばかり
きにしていたね
今日は焚き火だ
たちのぼる
火の粉の行方が
みえるかい
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