サイレン/悠詩
 
勇気があらば
汚穢に身を委ねるがごとく
突き立てられた剣の血を浴びよ

もしサイレンを凝視するだけの
覚悟と憐憫があらば
天に祈りを捧げるがごとく
とこしえの語り部となれ


禍々しきサイレンより
目を背けんとして
かりに瞼の裏に
紅き焔の説法が浮かばば


 イ
  レ
   ン

そは慈悲をもたらすもの
そは純愛をもたらすもの


忘るるなかれ
サイレンを消してはならぬ
戻る   Point(7)