ひととき/
信天翁
庭土が連日の梅雨で 満足げに
雑草まで育てている
庭木も梅雨の晴れ間で 満足げに
みどりの息を弾ませている
そして 生垣の隙間には
よく見ると蜘蛛の糸が張られている
重たげな高圧線のように・・・
ファイン・ガーデンと洒落込めはしない
わずか十坪の裏庭だが
それでも ひととき わたしは持てた
実存へのノスタルジァを
うすぼんやりと
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