アウシュビッツの惨劇/円谷一
 
荷物を取り上げられ
 髪を切られ
 消毒され
 写真を撮られ
 左腕に囚人番号を刺青されて
 工場・鉄工所・炭坑で働かされて
 木で作られた三段ベッドに
 マットレスの代わりに
 腐った藁を敷き8人で寝ていた


 起床し点呼を受けると
 コーヒーと呼ばれる濁った水を与えられ
 労働へ向かわされ
 昼食は腐った野菜で作ったスープ
 夕食は黒パンと少々のマーガリン
 薬草の飲み物を
 便器と共通のアルミ容器で食べた
 囚人の中にはSSと仲良くなって
 個室とまともな食事を与えられた者がいた 便を足すには
 ベッドの傍に掘られた排水溝を使用した


 
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