雨やみを待っている、僕ら/Rin K
るのか
なんとなくそんな話をしたね
まるで僕らの毎日のような海岸線の話を
疾走する風が、弾ける
飛沫は今も虹色で
たよりないサーフボードで
楽園にたどり着けるはずもないと
知っていながら
海に浮かんでふたり、なにをしたっけ
僕は、鮮やかに覚えている
いつの間にか
青い水面は
ありのままのグレーをさらして
君も、じっとそれを見つめていた
君の瞳は
どんな色の水たまりを
とらえているのだろう
告げられることもなく
問うこともなく
痛む手を繋いだまま
黙って、それでも寄り添って
雨やみを待っている、僕ら
ただ、あてもなく―――
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