雨やみを待っている、僕ら/Rin K
 
るのか
なんとなくそんな話をしたね
まるで僕らの毎日のような海岸線の話を

     疾走する風が、弾ける
          飛沫は今も虹色で

たよりないサーフボードで
楽園にたどり着けるはずもないと
知っていながら
海に浮かんでふたり、なにをしたっけ
僕は、鮮やかに覚えている



いつの間にか
青い水面は
ありのままのグレーをさらして
君も、じっとそれを見つめていた
君の瞳は
どんな色の水たまりを
とらえているのだろう
告げられることもなく
問うこともなく
痛む手を繋いだまま
黙って、それでも寄り添って
雨やみを待っている、僕ら
ただ、あてもなく―――






戻る   Point(37)